「スカートと切り欠き」について

スカートの中には、生地の一部に「切り欠き」が入っているデザインのものがありますが、その切り欠きの入っている場所、切り欠きの長さ、その目的によって、次のような呼ばれ方をします。

「ベンツ(vents)」
タイト系のスカートは、フレア系のスカートにくらべ、裾部分の広がりが少ないことが多く、この結果、歩いたりする場合に、脚を大きく動かしにくくなります。そのため、脚を動かしやすくするために主にスカートの後ろ側の裾部分に数cmから十数cm程度までの長さで入れる切り欠きのことを言います。こちらの場合、切り欠きの生地部分が多少オーバーラップするようになっており、脚を動かしていない場合は、その切り欠きから、脚は見えないように工夫されていることが多いです。

「スリット(slit)」
切り欠きの長さが大きい場合は、上記の「ベンツ」の機能も兼ねる場合もありますが、基本的には、脚線を意図的に見せられるようにスカートの前面や側面部分に数cmから十数cm程度までの長さで、デザイン重視の状態で入れる切り欠きのことを言います。こちらの場合、切り欠きの部分は、前述の要素が強いため、生地はオーバーラップしておらず、脚を動かしてしない場合でも、切り欠きの隙間から、脚が見えることが多いです。

余談ですが、「ベンツ(vents)」は本来、2つ以上ある複数形での呼び方ですので、スカートで一般的な1つの切り欠きでは、正しくは「ベント(vent)」のようですが、現実的には切り欠きの数に関係なく「ベンツ(vents)」と呼んでいるようです。なお、車で有名な「ベンツ」は「venz」と綴るようです。