「スカートと着替え」について

スカートの基本的構造でもあります、「筒型で裾部分が開放されている」という状態が、時と場合によっては、便利なことがありますが、その一つに「着替え」があります。

パンツ(ズボン)の場合は、今穿いているパンツを脱がない状態で、別のパンツに穿き替えることは、パンツの構造から見ても無理であることは、おわかりいただけると思いますが、スカートの場合は、今穿いているスカートの内側(裾が大きく広がったタイプとか、ロングとミニの穿き替えなどの場合は、外側の場合もあります。)に穿き替えたい別のスカートに脚を通し、お尻付近まで穿けたら、今まで穿いていたスカートを下ろして脱ぐという方法で、ほとんど下着などを見せないように着替えるということが可能となっています。

なお、今穿いているスカートと穿き替えるスカートが、どちらも体の線に比較的ぴったりのタイトスカートなどの場合は、重ねての穿き替えはしにくい時もありますので、その場合は、先に脱いでから穿く方がスムーズにいく場合もあります。また、スカートにアクセサリがついていたり、デリケートな素材の場合は、重ね合わせている状態の時に、アクセサリーが引っかかったり、生地が擦れて、ほつれさせてしまうなどの場合があるかもしれませんので、その点は注意しましょう。

最後に、重ね状態での穿き替えが終わった場合、くれぐれもスカート後ろの裾部分などが、腰部分などに挟まっていて、下着が誤って見えていないかも忘れずにチェックしてください。

「スカートとベルト」について

スカートの一部には「ベルト」が最初から付属しているもの、あるいは、ベルトを通せるようになっているものがありますが、ベルトがあることにより、次のような特長があります。

(1) ウエスト部分が引き締まって見えることで、スカート全体のシルエットが綺麗に見えたり、ウエストの位置を意図的に強調することで、足長効果を見せることができる。

(2) ウエスト部分に余裕があるスカートを、ベルトを締めることでスカートが下がることを予防できる。

なお、ベルトの強度については、どちらの場合もスカートと同じ生地、色を使うか、スカートの生地とは異なる革製品などで合わせるなどいったファッション性を重視して合わされることが一般的であり、また、ベルトの太さ、バックルの色、形などもデザインやバランス的に合うものがチョイスされています。

スカートのベルトは洗濯や収納などを考慮して、着脱可能なものがほどんどですから、もともとスカートに付属しているベルトを、別なものに変えることで、同じスカートでも見た目の印象を変えたりすることもできますので、気分によって、変えてみるのも良いでしょう。

余談ですが、ベルトを回す向きについては、男女で異なるというよりは、利き手が影響していることが多いようですので、例えば、右利きの人の場合は、最終的にバックルを左で持つ形に収まるように、体の真上から見ると反時計周りに締めることが多いようですが、バックルの模様が逆さまにならない限りは、どちら回りでも、あとはあなたのお好み次第でも問題はないようです。

「スカートと風」について

暖かい季節に、スカートを穿いている状態で心地よく吹く風は、適度な清涼感を実感でき、また、その風に動きに合わせて適度になびくスカートの裾も美しい光景だったりしますが、一方、「春一番」などに代表される、方向が定まらず、巻き上げるように吹く強い風は、スカートを穿いている時には、とても迷惑だったりすることもあると思います。また、寒い季節の時に、スカートを穿いている状態で風が吹かれると、ストッキングやタイツなどを穿いていても、冷たい風が脚に直接当たりますので、パンツなどを穿いている時に比べ、体感温度が下がり、より一層寒く感じてしまうこともあるでしょう。

スカートの構造上、下からある程度の風力が加わると、フレアやプリーツなどのタイプは、裾がめくれ上がってしまいやすく、また、タイトなどのタイプでも素材が柔らか目のものは、その状態が起きやすくなります。風が弱い場合、スカートの裾が全体的にふわっと持ち上がる程度で済む時もありますが、ある程度以上の風になると、かなりの割合でめくり上がってしまうため、両手が空いていれば、前側と後ろ側の両方を手で押さえることもできますが、手に荷物を持っている場合などは、片方しか押さえられないこともありますので注意が必要です。なお、スカートの真正面(真横、真後ろなども同じ)より上方から吹く風については、風の吹いてくる方向の面は、スカートの生地が脚にへばりついてしまうことはありますが、裾が巻くれることは少ないですが、吹いてくる角度によっては、後方に角度が変化した気流が発生してしまうことで、逆に、フレアやプリーツなどのスカートの場合は、後ろの裾部分が持ち上がり、なびいた状態となってしまう場合がありますので、注意して下さい。

強い風が吹く日に対して予防する方法は、ロングのタイトスカートやデニムなどの生地が硬めのスカートを穿くことで、多少、裾がめくれ上がることはあっても下着が見えるほどはめくれないことが多いです。また、別な方法としては、「可能な限り、地下街やショッピングモール内を歩く」「近い距離でも公共機関を利用する」などといった、風を吹いているところを避けるといった対策も良いかもしれません。

基本的に、強い風が吹く日は、可能であれば、最初からパンツやキュロットスカートなどで出かけるという選択肢もあるでしょうが、制服であったり、TPOに応じて、スカートを穿いていかなければならないこともあるでしょうから、後は運良くあまり「いたずらな風」に会わないことを期待するしかないかもしれませんね。

「スカートと切り欠き」について

スカートの中には、生地の一部に「切り欠き」が入っているデザインのものがありますが、その切り欠きの入っている場所、切り欠きの長さ、その目的によって、次のような呼ばれ方をします。

「ベンツ(vents)」
タイト系のスカートは、フレア系のスカートにくらべ、裾部分の広がりが少ないことが多く、この結果、歩いたりする場合に、脚を大きく動かしにくくなります。そのため、脚を動かしやすくするために主にスカートの後ろ側の裾部分に数cmから十数cm程度までの長さで入れる切り欠きのことを言います。こちらの場合、切り欠きの生地部分が多少オーバーラップするようになっており、脚を動かしていない場合は、その切り欠きから、脚は見えないように工夫されていることが多いです。

「スリット(slit)」
切り欠きの長さが大きい場合は、上記の「ベンツ」の機能も兼ねる場合もありますが、基本的には、脚線を意図的に見せられるようにスカートの前面や側面部分に数cmから十数cm程度までの長さで、デザイン重視の状態で入れる切り欠きのことを言います。こちらの場合、切り欠きの部分は、前述の要素が強いため、生地はオーバーラップしておらず、脚を動かしてしない場合でも、切り欠きの隙間から、脚が見えることが多いです。

余談ですが、「ベンツ(vents)」は本来、2つ以上ある複数形での呼び方ですので、スカートで一般的な1つの切り欠きでは、正しくは「ベント(vent)」のようですが、現実的には切り欠きの数に関係なく「ベンツ(vents)」と呼んでいるようです。なお、車で有名な「ベンツ」は「venz」と綴るようです。

「スカートと抱っこ」について

赤ちゃんなどの「抱っこ」は別として、ある程度、背丈が成長し、かつ、スカートを穿いている人を「抱っこ」してあげなければならない状態となった場合、自分の体の前で「抱っこ」する方法と、自分の背中で「抱っこ」する方法が考えられますが、それぞれの抱っこの方法で、注意しないといけない点があります。

相手を自分の体の前で抱っこする場合、片方の腕で、相手の背中部分と、もう一方の腕で、相手の膝の部分を持つように抱っこする形(俗称として「お姫様だっこ」と呼ばれることもあります。)が一般的と思われますが、相手が膝下丈以上の長めのスカートを穿いていた場合は、スカートの裾部分を相手の膝の裏側と自分の腕の間に挟むように抱っこすれば、下着が見える心配はありませんが、ミニ丈のフレアやプリーツなどのスカートの場合は、自分では裾部分までは押さえることが難しく、その結果、スカートが垂れ下がって、下着が見えてしまう場合がありますので、抱いてもらっている本人自身でスカートの裾を押さえるなどの注意が必要です。

また、自分の背中で抱っこする場合(「おんぶする」と呼ぶこともあります。)、相手はある程度、開脚した格好で背中に抱きつき、自分は両腕で、その開いている脚の膝上部分を抱っこする形になると思いますが、この場合、フレアやプリーツなどのスカートで、膝上丈程度より長めのスカートであれば、開脚している状態でもスカートが扇子のように、お尻全体に垂れ下がるため、下着が見えるような状態にはなりにくいですが、タイトスカートなどの場合は、開脚していることで、スカートの裾が徐々にずれ上がってしまい、その結果、下着が見えてしまう場合がありますので、注意が必要です。

実際にこのようなケースが、日常でどれ位の頻度で発生しているかは私にはわかりませんが、最終的に、どちらの方法で「抱っこ」するかは、その時の相手の状態や重さ具合などで総合的に判断することになるでしょう。

「スカートとピカピカの床」について

「ホテルのロビー」「高級ショップ」「イベントホールのエントランス」など、大理石や光沢のある素材を使い、ピカピカの床で高級感、高品位な雰囲気を打ち出している場所を見かけたり、あるいは自らその場所に出かけたりすることがあると思いますが、スカートを穿いてそれらの場所を通過したり、待ち合わせなどをする場合は、その床に注意しなければいけません。

というのは、床のピカピカ度合いと光線の加減によっては、まるで床が「鏡」と似たような状態になってしまう場合があり、スカート内の下着から床までの角度と、他人が床を向いている角度が同じで、かつ、一直線上だった場合、スカートの丈や裾の広がり具合いによっては、理論的には、床に反射して下着などが見られてしまう場合があります。ただ、実際の場面では、本当の鏡のように100%の反射率ではなく、床面の色やピカピカ度によって、その反射率が変化することや、スカートの素材や色などによるスカート内の明暗度によっては、スカート内の奥(=下着)の方までは光が届きにくく、さらに下着の色によっては、見えにくい状態であったり、さらには、ほとんど見えないという状態もありますので、ピカピカの床を見るごとに極端に神経質にならなくても良いと想像しますが、一部の変わった趣味を持っている人は、その状態になるチャンスを常に狙って視線を向けている場合がありますので、注意した方が良いでしょう。

このような状態を避ける方法としては「待ち合わせなどの場合は、なるべく、壁や柱などに寄るなど、四方から反射が見られないような位置に移動する」「日光や照明のライトが反射して明るような角度の場所には注意する」などがあります。

なお、このことはスカートを穿いている人も、日常生活の中では、あまり意識していない人も多いかもしれませんし、今回、このテーマを読むまで意外と気づいていなかった人もいらっしゃるかもしれませんので、今回がその「気づき」の良いきっかけとなれば幸いです。

「スカートと裏地」について

全ての種類のスカートに必ず付いているものではありませんが、「裏地」と呼ばれるスカートの内側に付いている生地があります。(これに対し、表側のスカートの生地のことを「表地」と呼ぶこともあります。)

「裏地」に関する、主なメリット、デメリットは次のような点があります。

(1) スカートの生地が白っぽかったり、薄かったりした場合に、下着などが透けて見えてしまうことを防ぐ。ただ、穿いている下着の色とスカートの色の組み合わせによっては、いくら裏地があっても、透けて見えてしまう場合もある。

(2) ストッキングなどを履いている時に、滑りが良くなり、裾のはけ具合や穿き心地が良くなる。ただし、裏地の種類や季節によっては、この組み合わせにより、逆に静電気が発生しやすくなり、裏地を含め、スカート全体が脚にまとまり着いてしまう場合がある。

(3) 脚とスカートの表地が直接、触れ合う割合を減らすことで、表地が汚れやすくなることを防げる。また、このことにより、脚のラインが直接、表地に伝わらないことで、見た目のラインが綺麗に見えるという効果が期待できるものもある。

(4) 雨期や夏など、湿度の高い時期は素足に裏地がまとわり着いたりすることや、生地が厚くなっていることで、暑ぐるしく感じる時がある。一方、湿度の低い時期は、保温性に多少貢献する場合もあるが、(2)で触れた静電気などの問題も起こりやすい。

なお、「裏地」は、その名の通り、スカートの裏側で、かつ、表地の裾より多少短く仕上げてあるため、表地がレース素材などの場合で、裏地もそのデザインの一部として見えても大丈夫なように仕上げているものを除けば、通常では裏地が見えてしまうことはありませんが、スカートの生地に合った正しい洗濯方法をしなかったりした場合、表側のスカートの生地が縮んでしまうことがあり、この結果、座ったりした際に裏地が出やすくなってしまう場合がありますので注意して下さい。

「スカートと履物」について

スカートは丈、タイプ、生地などの組み合わせにより、大変豊富なバリエーションが存在していますが、スカートを穿いた状況で、さらに「履物」をチョイスする場合、こちらもそのスカートに合ったいろいろな組み合わせのものが存在します。

たとえば「カジュアルなデザインのスカート」の場合は、ヒールが低めの靴や、スニーカー、サンダルなどと組み合わせたり、「フォーマルなデザインのスカート」の場合は、ヒールの高めのパンプスだったり、「スカートの丈が短いもの」の場合は、ブーツなどと組み合わせたりするといったことがあると思います。もちろん、「どのスカートの場合、どの靴しか穿いてはいけない」ということはありませんので、前述の「スカートの丈が短いもの」の場合に、ハイヒールなどを履くという組み合わせもよく見る光景だと思います。

これまで取り上げてきましたテーマの中には、「さらに細分化した方が、より具体的に関連付けることができる」というものもあるかと思いますが、今回の「履物」というテーマも、まさにその一つであり、ここで簡単に分類、紹介できないほどの組み合わせがありますので、今後、「スカートとハイヒール」「スカートとブーツ」など、さらに細分化した形で取り上げていきたいと思います。

「スカートと夏」について

夏と言えば「暑い」、暑いと言えば「涼しい格好」という風に連想した場合、単純にいけば、スカートも長いものより、短いものの方が「風通し」や「放熱性」などで、そのイメージに合っているかと誰もが思うかもしれません。

しかし、実際は、短いものより、長いものを穿く人が増える季節でもあり、それは概ね、次のような理由ではないかと想像します。

(1) 炎天下の直射日光を長く浴びていると、日焼けしてしまう可能性があるため、それを予防できるため。

(2) 直射日光が直接、脚に当たることで余計に暑く感じてしまうことになるため、スカートの生地で脚を隠すことにより、その状態を避けられるため。

(3) 歩いたりしている場合、短いスカートより、長いスカートの方が、生地がバサバサ動くため、風流が発生し、涼しく感じるため。

(4) 季節柄、可能であれば、ストッキングなどを穿いていない「素足(俗に生足とも。)」の方が涼しいのは確かであるが、一方で、素足を出すことにも抵抗を感じるため、長めのスカートを穿くことで脚の露出を少なくできるため。

もちろん、上記以外の理由もまだあるとは思いますが、少なとも、夏はシャツなど、上に着るものは「半袖」が多くなるのと同じにように、下に穿くスカートも「短いもの」が多くなるという法則(?)は、スカートに関しては成り立たないようです。

「スカートと女性アイドル」について

スカートは、昔も今も、女性アイドル(複数人のグループも含みます。)の重要な象徴アイテムの一つとして、その女性アイドル自身や歌のイメージに沿ったデザインのスカートを衣装として身にまとい、歌やダンスなどのパフォーマンスを繰り広げています。

女性アイドルのスカートの丈は、そのアイドルの年齢のほかに、流行やファンの好みそうなものが反映されていることも多く、最近の傾向では「女子学生の制服」「お嬢様」「アニメ・ヒーロー」などをモチーフとし、さらに「若々しさ、華やかさ」などがアピールできるように「ミニ系のスカート」を穿いたアイドルが非常に多いようですが、ひと昔前のアイドルの一部や、最近のアイドルでも一部は、流行などに左右されることなく、本人の意向や雰囲気、事務所の思惑などで、あえて「ミニスカートではなく、膝上〜膝下丈ぐらいの長めのスカート」など穿いて出演している女性アイドルもいます。

もちろん、女性アイドルだからと言って、誰もが、スカートを穿いているということはなく、普段はジーンズやパンツなどを穿いてパフォーマンスをしている女性アイドルもいますが、そのような人が、時々、ミニタイトなどのスカートを穿いて出演したりすると、違った魅力を感じてしまう人も多いと思います。

なお、最近のミニスカートを穿いている女性アイドルのほとんどは、下着が見えないように「見せパン」などと呼ばれる見えても問題のないパンツなどを穿いて出演していますので、万が一、見せパンが見えてしまっても、普段、スカートを穿いている時に遭遇する可能性のある「パンチラ」とは少し意味合いが違うと思いますが、いくら「見せパンを穿いている」という状況であっても、常識を逸脱するような行為をすると、お咎めを受ける場合もありますので注意して下さい。